なんと箱買いで1ダース

   先日3月30日に、日本フィルハーモニー交響楽団と、モーツァルトオーボエ協奏曲を演奏致しました。指揮は何と宮本文昭さん。はるか昔に私がコンクールで失敗しベソをかいた際、そのコンクールの審査委員だった宮本さんの、「悔しかったらドイツに勉強においで。」というお言葉がきっかけで、ドイツでは散々お世話になったんですよ。以前はオーボエ奏者でありました宮本さんのコンサートに通いCDを聞き漁りましたが、今回は再び昭和の熱き男の素晴らしい音楽性に引き込まれながらの共演、感服いたしました。この作品のとある部分、新しい発見もさせて頂きました。どうもありがとうございました。
 
   コンサート会場は地元さいたま市大宮ソニックシティーで、片道30分の交通手段は何と自転車でした。マネージャー嬢には爆笑されましたが、なんのなんの、庭ですよこのあたりは。応援してくださる先輩や友人、出身校の南浦和中学校、県立浦和高校の恩師や同窓生が大勢聞きに来てくださり、しかも日本フィルハーモニー交響楽団の一番オーボエ奏者は、芸大同級生の松岡裕雅氏!という幸せなコンサートで、気合も入りました。その上完売でした。
 
   さて私の前回のブログ、「この白い器一杯のラーメンを食てみたい」 http://blogs.yahoo.co.jp/katsuyawatanabeoboe/28592330.html を読んでくれた浦和高校の同級生の砂盃徹君と薦田公一君とその奥さんが、そんなにラーメンが好きならこれがおススメ、と、このような差し入れをしてくれました。なんと箱買いで1ダース。稀に見るかさばる差し入れでして(笑)、帰りの自転車でエッチラオッチラと運び、早速自宅でベルリン行きバナナ色トランクに入れてみます。
 
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   そしてこちらが、待ちきれずにダンボールを開けてみたところ。日本にいる間に一杯(前列左)、試食もしてしまいました。「日清史上、最高傑作」と豪語しているだけあって、知らずに頂いていたらカップ麺とは気が付かないと思わせるほどの、秀逸なお味でした。この直後に、恐ろしく食べ物の不味いイギリスに演奏旅行があり、そこにも2食(前列中央と右)持参し、とても助けられました。どうもありがとうございました。
 
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   さて、ベルリン行きバナナ色トランクですが、この大きな段ボール箱が大部分空気ということになりますから、丁度好都合とばかりに、前回重すぎて詰め込みを断念して保管してあった醤油味噌の類を中心に荷造りしましたところ、24.5キロになりました。空港で荷物を運ぶ女性職員が増えてきたから、というまことしやかな理由が囁かれていますが、最近はどの航空会社でも預け荷物の制限が23キロポッキリになってしまいました。空のトランクだけで8キロくらいありますから、甚だ迷惑な決定であります。
 
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この器一杯のラーメンを食べてみたい

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   この白い器一杯のラーメンを食べてみたい、なんて思ってしまいました。これだけ大量に頂くなら、さっぱり系の塩ラーメンか醤油ラーメンでしょうか?チャーシューやお野菜も大切ですが、やはり肝心の麺が美味しいラーメンがいいですね。
 
   ラーメンって、本当に抗しがたい魅力があるお料理だと思います。一体、こんなに大量に食べてみたいって思うお料理が、ラーメン以外にあるでしょうか?
 
   この洗面所の流しは、ベルリンでかかりつけの歯医者のお手洗いで見つけました。上の写真は大盛りラーメンの器のように見える角度から撮りましたが、上から見るとこうなっています。歯磨き粉と思しきチューブも見えますね。
 
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   ドイツのお手洗いは、一概にとっても清潔です。消臭剤なんていうのは元々汚くて臭うのを誤魔化すための物ですが、この国ではまずお目にかかることがありません。清潔なので必要ないからです。流しも清潔で、こんなおしゃれなタイプの物も見かけます。もっとも、このまま食器として使える程清潔かというと、話は別ですが。
 
   ドイツの健康保険では、半年ごとの歯科検診を推奨しています。かかりつけの歯医者から、もうそろそろですよというお手紙が届くと、電話をして予約を入れて頂きます。健康保険が全額カヴァーしてくれますので、受診料は無料です。健康保険からスタンプ帳を配られ、半年ごとの検診にサボらず出席してスタンプが貯まると、景品などのご褒美も頂けるそうです。
 
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甘海老クリーム

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   1998年、私にとりましてベルリンドイツオペラ最初のシーズンの終わりに、演奏旅行でスウェーデンに参りました。
 
  その際に、パンに塗るチューブ入りたらこバターが気に入り、そればかり頂いていました。何年か前に再びスウェーデンを訪れる機会があり、またスーパーで探しましたら、チューブ入りたらこバターの隣に、なんと生と思しき甘海老の絵が描いてあるチューブが目に入るではありませんか。
 
  以前、雁屋哲さんの「美味しんぼ」に、有り得ない缶詰として刺身の缶詰が登場しましたが、このチューブを絞ると、まさか生の甘海老のすり身がニュルニュルと出てくるのかしら!しまった、わさびとお醤油を持って来るんだったっぺ。そう思いながら、迷わず買いました。
 
  結果は、やはりさすがに生ではありませんでしたが…、しかしこれは旨い!かなり上等の海老クリームスープの味です。写真でも辛うじて確認できますように、海老の身も小さいながらプリップリッと沢山入っています。
 
  一つ買い、ぺロっと舐めてとても美味しかったので、もう一つ買いました。このあたり私とっても単純で、美味しいものに出会うと、途端に幸せになります。次回のスウェーデン旅行でも、絶対にこれを外さないように致しましょう。
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移動中の完璧なドイツ食

   毎週同じ場所でコンサートをお聞きいただくわけには参りませんから、演奏旅行は演奏家にとって宿命です。演奏旅行中に体調をベストに保つのも仕事のうちであるのに、早朝から列車で移動、到着後もゆっくり食事の時間が取れないことが多く、可能な時に一生懸命栄養豊富で美味しいご馳走を頂いておきます。

  もっとも、毎日決まった時間に食事を頂くことを大切にするなら、旅程に任せるのではなく、日本でしたらお弁当、ドイツなら前日にスーパーで買い込んだソーセージ(冷たいままでも茹でても美味しい)とジャガイモサラダ、そしてビールをお持ち込みで車中にて、なんていうのも一つの手でしょう。
 
   ご覧ください。
 
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   塩味でプリプリのソーセージを一かじりし、酢が効いたネットリ系のジャガイモサラダをほおばり、ほろ苦いビールを流し込む。この黄金の組合わせ、旨くて何とも言えませーん。 
 
   日本人の昼飯なのに完璧なドイツ食だろう、とドイツ人に見せますと、あまりにも典型的ドイツ食すぎて、大抵、ヤメテクレと言われます。これを和食に置き換えると、塩ジャケ弁当に純米酒の小瓶、といったあたりでしょうか? 最高です。
 
   これでトマトでもかぶりつけば、炭水化物、タンパク質、ビタミンとも、完璧なバランスです。ビールにも、各種ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれているといいますが、世の中の呑兵衛の言い訳ですかね。
 
   ドイツは、スーパーで買い物をする限り異常なほど懐にやさしい国で、ソーセージ20本のうち2本、ジャガイモサラダ1キロのうち半分、ペットボトルビール0.5リットルで、150円くらいしかかかりません。経験上、高価な美食を体験しないと良い演奏はできないというのは、根拠が無さそうです。
 
   いづれにしましても、少しでも伸びの良い音、お客様を深い表現の世界へいざなうのに必要な体力精神力を少しでも多く蓄えるためには、体を作るべく、食を大切にしなくてはなりません。演奏家が食に拘るのには、こんな理由もあるのです。
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半熟茹で卵

   ルクセンブルクの私達の滞在先、パークプラザホテルの、卵茹で機です。
 
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   金属の取っ手を持ち上げ、卵が丁度おさまる形になっている網に生卵を入れ、そのままお湯に入れます。茹で上がると、手前の白い卵立てに立てたまま、食事用ナイフの握り部分でコンコンとやって割るか、上から1センチくらいを水平にナイフで切り取り、そこからスプーンですくって頂くのが、一般的です。テーブルでゴンゴンとやって割ると、ボーイさんが来てしまうかもしれませんね。
 
   ドイツのホテルの朝食で出てくる茹で卵は、安全上既にしっかり茹でてあり、消しゴムくらい頑丈にかた茹でにしてあることもあります。ここのは、自分の好みのかたさに茹でることが出来ますので、嬉しいです。もっとも、半熟のつもりでいても、仲間との話が楽しく、アッと思った時には既に遅し、ということがほとんどですが・・・。
 
   ドイツに留学したばかりで、ドイツ語もあまり上手く話せずめげることが多かった頃、半熟茹で卵にお醤油をポタリポタリで、本当に救われました。
 
   実は、私は茹で卵よりも目玉焼きの方が好きです。ドイツ語では、「シュピーゲルアイ」と言います。半熟の黄身が、鏡(シュピーゲル)のように光り輝くからなんだそうです。カツヤ風目玉焼きは、テフロン加工などのフライパンに油もひかず、塩も胡椒も振りかけません。カリカリの白身底面と、半熟の黄身の淡い塩味を、一口でパクリと頂き楽しみます。ニワトリさんが、半熟目玉焼きに合わせて絶妙の塩加減で産んでくれましたので、この際余計な味付けは不要なのです。
 
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またもやビンゴー!

   前回7月6日のビンゴに続いて2か月後の9月5日成田空港某航空会社チェックインカウンター、またもやビンゴが出ました。預け荷物が制限30kgピッタリです。
 
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   はしゃいでまた写真を撮っていましたら、隣のカウンターのお姉さんが、
「この間も30kg丁度だった方ですね。確か音楽をされている。」
「そうなんですよ。覚えていてくださって、どうもありがとうございます。前回断られてしまったのですが、さすがに2回連続っていうのは滅多に起こらないでしょうから、今度こそビンゴ賞をご検討頂けませんか?」 
「ご自宅で量って狙っていらっしゃいますね?」
「ん…。」
   あのー、狙ってもなかなかできるものではないと思いますよ。カレールー、中華のレトルト、お味噌、あさりの缶詰など雑多な日本食料品、それにトランク自体の重さ、いろいろな要素が絡んできますんで…。仮に家庭用の体重計でうまく量れても、はかりが替わると結構誤差が出てくるし、だいたい家庭では100グラム単位まで正確には量れませんからねえ。カウンターで並んでいる間に、急に思いついてシャツを2枚入れたし。非常に稀なるおめでたい偶然なんです。
 
   ここは気力が充実している証ととらえましょう。お蔭様で2011年は私にとりまして当たり年で、6回もヨーロッパと成田を往復します。この気力が充実している時期を大切に、全てのコンサートに全身全霊を傾け、悔いのない演奏をして参ります。
 
   ちなみに今は、11月26日に群馬交響楽団と演奏しますモーツァルトの協奏曲と、来年1月のCD録音の準備に没頭しております。
 
   さて今回のコラムは、飛行機の移動にちなんだ内容です。
 
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私の朝食

   早朝5:15、ルクセンブルク・パークプラザホテルの私の部屋に明かりが灯ります。シャワーも浴びずに、楽器、楽譜、メトロノーム、水筒を昨夜詰めたリュックサックを持ち、別棟にあるバンケットルームに向かいます。この別棟が5:30にならないと開かないため、それより早く起きても駄目なのです。5:35、朝練開始!
 
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   ヨーロッパ各地からの腕利き集団であるソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクですから、練習好きな猛者ばかりなのですが、さすがにこの時間に起きてくる者は皆無で、7:35まで2時間、一人で充実した朝練ができます。オーケストラの練習がある10:00から13:00迄と18:00から21:00迄以外の自由時間、昼間はほかの人に譲り、私は昼寝を決め込みます。
  
   さて、この時間帯に2時間練習すると猛烈に腹が空き、しかも練習しながら朝の水分補給はできていますから(最後の30分くらいは空腹を満たすために水を飲んでいるみたいなモンですが)、朝食バイキングに対する準備は万端整いました。この別棟は宿泊関係とは分けられていて、バンケットルームとレストランが併設されています。よって、楽器をしまってから朝食バイキングのレストランまでは、30秒で到達できるのです。
 
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   これが私の朝食です。ダージリン紅茶、スモークサーモン、クロワッサン、カマンベール、ポテトパンケーキ、これに後でヨーグルトとフルーツサラダが加わる訳ですが、あれえっ、赤ワインも見えますねえ。そう、ここの朝食バイキングには、赤ワインとシャンパンも出るのです。早朝朝練に対する、ささやかなご褒美です。朝食後にシャワーを浴び、Eメールチェックしたりしているうちに、10:00からのオーケストラの練習までにはアルコールはすべて抜ける算段です。
 
  管打楽器コンクール参加者も、朝練してたでしょうか?
 
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