オーケストラの中で演奏できて本当に幸せ

   2010年最後の仕事は、ベルリンのすぐお隣の町ポツダムでのジルヴェスター・コンサートで、ベートーヴェンの7番のシンフォニーとシューマンの2番のシンフォニーというプログラムでした。シューマンの2番というのは大好きな曲の一つで、「オーケストラの中で演奏できて本当に幸せだ。」と思えたひと時でした。リヒャルト・シュトラウス「薔薇の騎士」全曲演奏時然り、ヴァーグナー「指輪」全曲演奏時然り、ソロ活動では味わえないまた別の喜びの世界です。新年も健康で、ソロ活動中心に、オーケストラのお仕事も沢山させて頂いて…という事が続けられますように。
   終演後楽屋で着替えていると、首席ビオラ奏者に背後から、「今日のお前の演奏は、最初の音から最後の音まで実に素晴らしかった。」と声をかけられました。嬉しいところですが、ここで「どうもありがとう。」なんて素直に言ってしまうのはまだまだ洟垂れ小僧です。最近はようやく大人になりまして、「Das war extra für Dich! (貴方の為に特別に頑張ったんですよ!)」なんていう冗談がすぐに出てくるようになりました。
 
   2010年12月の産経新聞のコラム「渡辺克也のベルリン音楽旅行」です。
 
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