パンドラの缶詰

   缶詰のミートソースは、庶民の味、軽食風味と申しますか、あれはあれで私は好きです。スパゲッティ―を茹であれをかけるだけで、そう当たりもはずれもなく、喫茶店のスパゲッティ―ミートソースの味が楽しめます。
  
   ドイツのスーパーにも、缶詰のミートソースはあります。800グラムのかなり大きな缶が、たったの95セント(95円)…。あっ、違いました。よおく見るとトマトソースって書いてありますね。
 
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   これで何皿分でしょうと思うほどの大きさですが、ところがどっこい、実はこの缶詰、ソースだけではなくて何と麺も入っているのです!麺類の缶詰!アルデンテはいったい何処(いずこ)へ?これがアリな訳ですから、ラーメンやうどんの缶詰だって頑張れば夢ではありません。
 
   ドイツに来て21年間、余りに怖くて買えなかったこの恐るべき禁断の缶詰を、今回のブログのために頂いてみることにしました。
 
   缶切り不要の大きなプルトップを、恐る恐る開けます。
 
  
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   うっ、のっけからやられました。5センチほどのブツ切れスパゲッティ―!いえ、長さが揃っているあたりから考えると、最初から短いスパゲッティ―を使用しているようです。それに、缶詰のミートソースよりはゆるめながら、スープよりはかなりドロッとした、トマトソース。お弁当の付け合せのスパゲッティーが、モリモリと入っていると思っていました。余りにも想像していたのと景色が違うので、動揺を隠せません。
 
   開けてみようなんていう気を起こさなければよかった…、禁断の缶詰どころか、パンドラの缶詰でしたか?開けてしまいましたので、もうただ前進あるのみ、少しでも美味しく感じられるように、ヴィレロイ・ボッホの小皿に盛りつけます。それを電子レンジで温めて…。
 
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   んん、決して感心できる味ではありませんが、救いようのないほど不味くはありません。麺(もうスパゲッティ―と思っていません。)も柔らかめと思えば、許せるかも…。
 
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 そこで、こういう想定外の非常時のために用意してあった、パルメザンチーズに登場願います。パルミジャーノ・レッジャーノの子分グラナ・パダーノのおろしたのが、ドイツのスーパーでタダ同然の値段で入手できます。これが調味料として大変スグレモノでございまして、これをドバっとかけて混ぜてみると…フフフッ、途端に美味しくなりました。
 
  もう少し進化して、ラーメンやうどんの缶詰が実現するといいですね。
 
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