練習のいろいろ

   『朝練』 もともと中学や高校部活動の学校始業前にする練習を指しますが、広義には朝早起きしてする練習と捉えられます。体、脳、神経ともに新鮮で最も効率が上がる時間帯ですから、多くの大演奏家が実践してきました。
 
   『夜練』 一般家屋では、周囲のご理解を頂きながら最遅でせいぜい21時あるいは22時までが、練習可能限度のようです。それに対して、24時間練習できる環境の恩恵を享受できる幸せな演奏家も中にはいます。ただ結果的には、夜中の2時3時まで練習するよりは、前述の朝練の方がより効果を期待できるようであります。
 
   『コソ練』 一般的に、演奏家は様々な理由により自分が練習している音を他人に聞かれたくないと思っています。そこで誰もいない場所に移動して、こっそり練習します。秘密の練習法を隠すための手段ではないかと勘ぐりたくなりますが、ほとんどの場合、ただほっといてもらいたいだけのようです。誰かが必死で練習するのを傍で聞いていると、思わず茶々を入れてみたくなりますもの。
 
   『フケ練』 授業始めに出席の確認が済んだ後、教師が黒板に書いている隙にゴキブリのように床を這って教室から脱出してまで敢行する練習です。語源は「授業をフケる」に由来します。稀に後でお目玉を喰らう可能性がありますから、上手な言い訳を考えておくのが得策でしょう。
 
   『外練』 屋外で練習しますと、響きのイメージ空間が無限大であること、残響がゼロに近いこと等、その練習効率については賛否両論ありますが、根性だけは間違いなくつくようです。ちなみにフルートの場合、前方から風が吹いてくると発音できなくなりますので、無風が条件です。
 
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