本物の馬のメリーゴーランド!

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12月になると、私が住んでいるベルリン・シャーロッテンブルグ区にある歩行者天国に、賑やかで色とりどりのクリスマスマーケットが並びます。そこで本物の馬のメリーゴーランドを見つけました。ドイツ人は一概に本物志向ですが、ここまでするとは…。

ドイツの冬は寒さ厳しく、毎日鉛色の雲が低く垂れこめていて大変に重苦しいので、もしクリスマスの華やかさがが無かったら、絶望的に耐えがたいものであることでしょう。言うまでも無くクリスマスが冬の最大の行事で、クリスマスイヴ(お店は14時まで営業しています。)、25日、26日と、3日間にわたって祭日です。旧東ドイツではそれに加えて27日も祭日だったそうです。それに対してお正月は1日でおしまい、1月2日からは仕事始めもなくフツーの日々が始まるので、3日間寝正月を決め込みたい日本人にとっては、少々物足りません。

ただ共通しているのは、日本人がおめでたいお正月を迎える準備に追われるように、ドイツ人も12月に入ると、食料(クリスマスイヴにオーブンで料理する丸ごとのガチョウははずせません。)やプレゼント、そしてクリスマスツリーを買い込んでと、とても嬉しそうに忙しくしていて、「クリスマス・ストレス」なんていう言葉があるほどです。それでも、この国のクリスマスはそのような商業主義に根ざしたものではなく、やはりキリスト教の行事です。24日の各教会での礼拝は、どこも満席で、内容も感動的ですらあります。

皆様、2009年中も応援下さいまして、どうもありがとうございました。より良い演奏を目指して毎日精進してまいりますので、新年もどうぞよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。

でたあ~!マイナス14℃

今朝のベルリンはマイナス14℃でした。その上、薄っすらと明るくなり始めるのが午前8時で、午後16時には日がすっかり暮れて真っ暗になってしまうという、過酷なドイツの冬です。このまま外にいたら、命にかかわるかも、と、思われるほどの寒さです。マイナス10度を超えると、体感温度はそう大きく変わらないかもしれません。ただ、コートや手袋を突き破って入ってくる寒さの速度がどんどん上がり、何分間このまま外にいられるのかが問題になってきます。ポーランドとか、ロシアは、もっと寒いんでしょうね。サハリンに抑留されていた私の祖父は、厳しい寒さと飢えの中で、辛かっただろうなあ。

12月が近づくと、Eメールやら、携帯電話のSMS(ヨーロッパでは携帯Eメールは一般装備ではありません)で、WOをお願いします、という問い合わせを頂きます。今年も7件来まして、5件引き受けました。さて、WOとは何でしょう?最初私も??でしたが、ドイツ語でヴァイナハツ・オラトリウム、つまりクリスマス・オラトリオの略です。バッハが、オーボエ・ダモーレというオーボエイングリッシュホルンの中間のような楽器の為に、ソロアリアを沢山作曲してくれました。この楽器、もっぱらこの時期に、季節限定で大活躍してくれます。今晩はベルリン・シュテーグリッツ区の教会で、私の今年最後のWOです。

私はバッハの宗教音楽に凝っていことがありまして、リリング、アーノンクールレオンハルト等の”理論系”を聞きまくった時期もありました。その後に最終的に行き着いたのは、カール・リヒターです。地響きのような底鳴りのする、なんと偉大なバッハでしょう!この40年前のドイツに君臨していたバッハの権威に影響を受けた、日本人ソロオーボエ奏者が、今日ドイツ人と一緒にバッハを演奏している、といったところでしょうか。ドイツ人の集団の中でバッハ、ブラームスワーグナーなどのご当地ものを演奏すると、当たり前のことですが、物凄いです。感激です。これが本物だあ。このかけがえのない栄養をもらっているうちは、幸せな気分になり、マイナス14℃も忘れることができます。

演奏後の締めくくりには、クリスマスマーケットで必ずお目にかかる、ドイツの甘酒、熱々のグリュー・ワイン(日本人が初めて飲むと、とってもびっくりする味です)を、マイナス14℃の中でフーフー言いながら頂いて、愛用の18段ギアの自転車で、帰宅します。ううっ、でもやっぱり寒い!

美味しいお取り寄せラーメンに、すっかりはまってます。

ベルリンもいよいよ冬本番の寒さになりました。日中に最高気温がやっとプラスになるかならないか。寒さこたえるこの季節、ボリュームたーっぷりのドイツ料理も威力を発揮しますが、熱々のラーメンが何とも言えないほどどんぴしゃりです。厳しい寒さに対抗するために体が高カロリーを要求するので、サッパリしたうどんでは物足りないかもしれません。札幌の様な冬の寒さ厳しい土地でラーメンが栄えるのが、よくわかります。

10月に一時帰国した際に、椒房庵(しょうぼうあん)の「お徳用 博多・長浜 屋台ラーメン (10食入)」を購入し、ベルリンの 自宅 で頂きました。とても美味しかったので、ご紹介させて頂きます。このブログをお読みの皆様もそれぞれ御用達ラーメンがおありで、後でお叱りを頂戴すること覚悟で・・・。ここでご覧になれます。         http://www.shobo-an.co.jp/products/osusume/ramen/ よくもこんなに全ての味蕾を喜ばすラーメンを作ってくれました。これが私が探していたラーメンだ!と、別に探してもいなかったのに叫んでしまいそうです。紅ショウガが入っていることの必然性!!超納得のスープも、思わず一滴残らず頂きました。ちなみに同社製「炊き込み御飯」「混ぜ込み御飯」は、以前から愛用致しておりまして、「博多・長浜 屋台ラーメン」は、今回初めて注文してみたのでし た。この会社の強みは、 丁寧に美味しいものを製造するところにあるのではないでしょうか。

ベルリンへ帰国時のトランクの中身はいつも90%食糧で、相当に重いです。帰国前日の荷づくりの時には、「この夥しい量の食料をどうやってトランクに収めることができるのか。」と、呆然となります。私のトランクの中を見た某音楽大学教授には、苦学生?とからかわれました。成田空港のチェックインカウンターでも叱られて、たまたま持っていた私のCDを見せて例外的に許して頂いたこともありました。感謝感謝。このように大変だったり情けない思いをすることも多い海外生活ですが、私なりに楽しんでいます。皆様の御用達食品も、よろしかったらお教え下さい。次回ベルリンに持ち帰ります。

クレメンスが私とイケメンオーケストラのために書いてくれた曲

ベルリンでは、温かい11月に引き続き、不気味なくらい12月らしくない12月になりました。こちらはそれでもクリスマスの準備一色です。ドイツ人にとってクリスマスは、本当に大切な行事なんですね。日本のおしつまった12月も、またいいですよねえ。ドイツ生活18年の私にとっては記憶の中だけになってしまいましたが。。。コタツで甘酒頂いて。石焼き芋も外せません。今日、日本の知り合いからベルリンまで大量のお餅が郵送されて来て、日本の年の瀬に思いを馳せました。

友人のクレメンスが、私のオーボエを聞いて、彼が主宰するイケメンオーケストラと私のオーボエソロのために、SCHLOß BABELSBERG「バーベルスベルク城」という曲を作曲してくれました。彼はポピュラー音楽で活躍していて、最近は若い男性ばかりを集めて、イケメンオーケストラを結成したのです。冒険が過ぎると周囲からは猛反対され、初コンサート当日も直前まで、ホールから、チケットの売り上げが悪いのでキャンセルするように説得されていました。ところが開演1時間前から当日券を求めるお客さんで窓口がパンク状態になり、入りは堂々90%、内容的にもお客さん完全熱狂状態でした。当日は私も「バーベルスベルク城」を演奏致しましたので、終演後彼に「苦悩を経て最後に勝利を勝ち取った今日のおまえは、ベートーベンの交響曲第5番そのものだ。」と、祝福してやりました。

ここをクリックして聞いてみてください。まだ新しい曲なのでカウントはあまり多くないですが、画面右側中ほどで聴けます。   http://www.myspace.com/dasorchester

いかがでしょう。ドイツのポピュラーは一味違いませんか?クラッシックでもそうですが、本当に和声が大切にされる国なんですねえ。

また次回、お楽しみに!

「雁屋哲の美味しんぼ日記」

10月8日に、神奈川フィルハーモニー交響楽団とヴォーンウィリアムスのオーボエ協奏曲を演奏致しました。指揮の湯浅卓雄さん、楽員の皆さん、そして応援して下さった皆様の御蔭で、翌9日のフィリアホールでのランチタイムコンサートと共に、とても気力の充実した演奏になりました。

そのコンサートに、「 美味しんぼ」の原作者、雁屋哲さんが、田園調布小学校6年2組同窓会のモデルになっている同級のお友達を連れて、聞きにいらして下さいました。

http://kariyatetsu.com/nikki/1170.php で、そのコンサートに触れられている「雁屋哲美味しんぼ日記」をご覧いただけます。

http://kariyatetsu.com/nikki/712.php もご覧ください。 画面右側に現れる「雁屋哲の食卓」も、クリックしてみて下さい。素晴らしいですよ~。

私はほとんどマンガを読まないのですが、ベルリンの自宅には、「 美味しんぼ」第1巻から第102巻まで、そして今回終演後に雁屋哲さんからサイン入りで頂き、家宝となった第103巻が、ずらっと並んでいます。雁屋哲さん、どうもありがとうございました。今日本においでですが、間もなくお住まいがある真夏のシドニーにお帰りになるそうです。地球の裏側ベルリンで、益々のご活躍を心よりお祈り致しております。   

CD録音にのぞむ基本姿勢を熱く語ったインタビュー

皆様お元気でお過ごしのことと存じます。ベルリンでは記録的に寒かった10月が過ぎ、記録的に温かい11月になりました。10月にはセントラルヒーティングをガンガン焚いていましたが、このところほとんどスイッチを入れていません。最低気温で7度から10度くらいでしょうか。建物が、熱を逃がさないように作られていますので、室温は18度ほどあります。11月下旬だったら、普通は0度くらいまでいきます。

さて、「レコード芸術」09年12月号に、私がCD録音にのぞむ基本姿勢を熱く語ったインタビューが、掲載されました。日本の住んでいたころは毎月欠かさず購読していた雑誌ですので、この雑誌に私のインタビューが掲載されるということは、私にとって特別の意味があります。私の脱線ばかりしている話を、聴き手の山野雄大さんが、素晴らしい形にまとめてくださいました。どうもありがとうございました。

次のCDの編集が最終段階に入っています。明日も、録音技師のボリスと15時から18時まで、放送局のスタジオに詰めることになっています。編集というのは、自分の演奏のあらを探し、より良いテイクを膨大な量のテイクから探し出し置き換える作業で、大変な忍耐が必要です。より良いテイクがなくて、がっかりすることもあります。しかし、間違いなくものすごいCDになりますので、どうぞご期待ください。

ではまたお目にかかりましょう。